インクジェットプリンター用のインクカートリッジには純正品、リサイクル品、互換品といった3種類のカートリッジがあります。それぞれ特徴が違うので、なにを基準に選ぶかが大切です。ここではそのポイントについて説明します。

3種類のインクカートリッジ

インクジェットプリンターの製造メーカーとして、「エプソン」「キヤノン」の両巨塔が70%以上のシェアを誇り、他には「ブラザー」「リコー」「HP」など、プリンターメーカー自ら製造しているインクカートリッジが「純正品」です。純正メーカー以外のサードパーティー製に「リサイクル品」と「互換品」があり、大きく分けてこれら3種類のインクカートリッジが製造・販売されています。

3種類のインクカートリッジ

純正品

文字通りプリンターメーカーが自ら製造している純正インクカートリッジです。プリンターヘッドの構造特性に合わせた設計により、プリンター本来の性能を発揮できるよう開発されています。当然、プリンターとの相性もよく、発色・耐光保存性などインク品質にも優れています。純正品ならではの安心感ですが、価格が高いのが最大のネックです。

リサイクル品

使用済みの純正インクカートリッジを回収し、選別・洗浄後インクを再充填した製品です。純正カートリッジをそのまま再使用しているのでプリンターとの相性も良く、エネルギー・資源の節約、ゴミ削減はもちろん低価格化も実現しています。品質と価格のバランスに優れ、くわえて近年のSDGs、環境保全の観点から益々人気が高くなっています。

互換品

プリンターメーカー以外のサードパーティーがカートリッジ本体から製造している製品です。海外製ノンブランド品も含め、様々なメーカーから販売されています。カートリッジ本体が自社開発のため、純正品とは形状が異なり、プリンターとの相性問題や、発色・耐光保存性など純正品より劣る製品もありますが、3種類のなかで最も価格が安いのが最大の魅力です。




インク選びのポイント

3種類のカートリッジはそれぞれ特長が違います。プリンターの利用状況や利用頻度によって選ぶ基準も変わってきます。そこで、各インクカートリッジの違いと評価を表にまとめました。お勧めユーザーと合わせて判断の一助としてください。

インク選びのポイント
純正品
(プリンター製造メーカー)
リサイクル品
(エコリカを含め国内数社)
互換品
(国内外メーカー多数)
プリンターとの相性








品質

発色・耐光保存性に優れた
自社開発インク


エコリカは品質・環境ラベル
エコマーク認定商品


一般的にやや劣る
メーカーによりピンキリ
価格
×

高い



純正品より2〜3割安い



純正品より3割以上安い
環境配慮

メーカー連合による
里帰りプロジェクト」あり


資源・エネルギーの節約、
ゴミの排出削減

×
回収の仕組みなし

⬇︎⬇︎⬇︎
お勧め
ユーザー

色々調べるのは面倒、
価格は気にしないユーザー、
初心者にもお勧め!



価格・品質どちらも重視!
純正品からの乗り換え検討中の
ユーザーに特にお勧め!



品質より低価格を重視!
文書印刷や大量印刷をする
ヘビーユーザーにお勧め!


※「 ◎ ○ △ × 」評価は自社調べによる一般的な評価です。

インク選びの注意点

インク自体は低価格でもカートリッジの不具合や、プリンター側にダメージを与え故障した場合は不安です。低価格であっても純正品以外を選ぶときに気をつけたい点として、メーカー側のサポート体制がどうなっているか?や、万が一プリンターの故障につながった場合の保証も事前に確認しておくとよいでしょう。

サポートについて

万が一プリンターに不具合が生じた際、インクメーカーによるサポートがあると安心ですが、サポートのつながりやすさも気になります。特に年賀状シーズンでは年末の作業になることも多く、いざサポートに連絡したいと思ってもつながらないと大変困ります。サポートの対応期間や、連絡のつながりやすさなどにも気を付けてください。

保証について

プリンターのメーカー保証は、購入後1年がほとんどです。また、純正品以外のカートリッジを使用して故障した場合、保証対象外になります。そこで、純正以外のインクカートリッジを選ぶ際は、インクメーカーによるプリンター保証があり、その保証期間が長期にわたっているカートリッジを選びましょう。