インクジェットプリンターで使われているインクは、顔料インクと染料インクの2種類ですが、紙への定着や発色が違うため、その特徴も大きく異なります。
顔料インクと染料インクの違い
顔料インクの特徴

インクの粒子が大きく用紙の内部まで浸透しないので、紙の表面にインクが定着し、色や文字をはっきりと表現することができます。
つまり、
速乾性があり、耐光性、耐水性にも優れているので、色褪せや水濡れにも強い。
にじみがなく輪郭もはっきりと映し出す。
ビジネス文書や長期保存したい印刷物に向いています。
いっぽう、繊細な色の表現は難しく色の鮮やかさも染料インクに劣ります。
染料インクの特徴

インクの粒子が細かいので用紙の内部まで染み込みます。
つまり、
発色がとても鮮やかで、濃淡のある美しいグラデーションなども表現。
光沢系の用紙を使うと、光沢感を活かした、より鮮やかな印刷が可能。
顔料インクと比べると印刷スピードが速い。
写真印刷に最適です。顔料インクと比べると安価ですので、日常的にいろいろな用途でプリンターを使いたい人にもおすすめです。
いっぽう、インクが乾燥し色が安定するまでに時間がかかり、光や水に弱いので注意が必要です。

顔料インクと染料インクの印刷結果
顔料インクと染料インクでそれぞれ印刷した結果を見てみましょう。
まず文書の印刷結果です。
顔料インク印刷結果

色が濃く、ハッキリと鮮明に印刷されています。
染料インク印刷結果

にじみが少し見られ、顔料インクと比べ鮮やかさが劣ります。
つぎに、写真印刷の結果です。
顔料インク印刷結果

くっきりとしていますが、少し落ち着いた色合いになります。
染料インク印刷結果

光沢があり、濃淡やグラデーションも綺麗に表現しています。
顔料インク・染料インクの用紙選択
紙へのインクの定着が異なるので、適した用紙もそれぞれ違います。
顔料インクにおすすめの用紙
紙の表面にインクが定着する特性から、マット系用紙や普通紙、画材紙やファインアート紙など、幅広い用紙にプリントできます。

染料インクにおすすめの用紙
用紙の内部までインクが染み込む特性から、光沢感が活かせる光沢紙や写真紙が適しています。


インクと用紙の相性も、綺麗にプリント出力するための大事なポイントのひとつですね。