インクの色数や採用しているカラーの違いなどで、メーカーによるプリンターの特徴もそれぞれ違います。
メーカーごとの特徴を把握して、目的にあったプリンターを選んでください。

キヤノン製プリンターについて

種類は4色機/5色機/6色機が用意されていますが、すべて顔料インクと染料インクの組み合わせで、カートリッジのタイプもヘッド一体型と独立型があります。

ヘッド一体型は、顔料ブラックと染料カラー3色がセットになっています。独立型タイプは、顔料ブラック/染料ブラックに染料のシアン/マゼンタ/イエローの組み合わせが基本で、6色機ではさらにグレーが加わります。

顔料ブラックインクの特長として、にじみがなく文字などの境界もはっきりした印刷が可能で、普通紙への文字印刷に最適です。

染料インクは、主に写真印刷で使用され、6色機で採用されているグレーインクは、陰影のある写真などブラックやカラーインクでは補えない微妙なグラデーションの表現を可能にしています。

ただ、キヤノンのプリンターヘッドは、その構造上、吐出するインク滴の大きさが限られるため(3種類) 、高精細な表現には劣る部分があります。

キヤノン/染料ブラックと顔料ブラックの文字の違い

■染料ブラック

■顔料ブラック

CANON MG6930
印刷設定:用紙種類=普通紙/印刷品質=標準

エプソン製プリンターについて

4色機は、顔料インクのみと顔料ブラックと染料カラー3色のタイプにわかれ、6色機は染料インクのみになります。キヤノンのようなグレーインクはありませんが、吐出するインク滴の大きさが無段階で制御できるため、色の3原色で組み合わされる色調表現が豊富です。

染料6色機は写真印刷に優れ、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)をくわえることで、同じ場所に複数のインクを重ね打ちし、美しい色調表現を可能としています。
ただし、用紙に染み込むことで発色するため、印刷直後と乾燥後で発色に違いが生じる場合があります。また、インク数が多いためコストパフォーマンスは若干低めです。

顔料4色機は一般的に色調表現の再現性は低めですが、普通紙へのカラー印刷でもにじみが無く、それなりの色表現をしてくれます。最新世代では、キヤノンのように顔料ブラックと染料カラー3色を採用し、明瞭な文字印刷と染料インクによる写真印刷を両立した機種もリリースされていますが、写真印刷の速度は若干遅めです。

エプソン/染料ブラックと顔料ブラックの文字の違い

■染料ブラック

■顔料ブラック

EPSON EP-712A
印刷設定:用紙種類=普通紙/印刷品質=標準

ブラザー製プリンターについて

すべて顔料/染料インクの組み合わせによる4色機で構成され、インク数が少なくコストパフォーマンスに優れています。

A4サイズまで印刷できる複合機は非常にコンパクトで、スピードは他社の複合機に比べるとやや遅めですが、プリンター/スキャナー/電話/FAXと機能が充実し、ご自宅をオフィスにしている個人事業主や小規模なオフィスなどでの使用に向いています。印刷スピードを重視したビジネス用の機種もあり、A3機モデルもあります。

メーカー別 プリンター評価 比較表

キヤノンエプソンブラザー
4色機5色機6色機4色機6色機4色機4色機
顔料・染料顔料・染料顔料・染料顔料染料顔料・染料顔料・染料
文字印刷
文字印刷速度
写真印刷
色調表現
色の濃淡表現
(グラデーション)
写真印刷速度
コストパフォーマンス

※ 「 ◎ 〇 △ 」評価は自社調べによる一般的な評価です

プリンターは用途に合わせて選ぶことも大切ですが、性能を比較することも重要です。印刷の表現や速度など、各項目を比較しながら参考にしてください。