インクジェットプリンターの印刷は、微細な粒子状のインク滴を用紙に吹き付けた色の点の集まりで、豊富な色を表現しています。
この色を表現する基となる基準色は、色の三原色(シアン/マゼンタ/イエロー)+ブラックで、この4色の点の大きさと密度を変えることで、色の濃淡・色調・階調を表現しています。
そこで、何を印刷するか(文字印刷メイン/写真印刷メイン)によってプリンター選びも変わってきますが、インクジェットプリンターはインクの色数が増えると、カラー画像や写真印刷がより美しく表現されます。
4色機/5色機/6色機とメーカーにより使用するインク色数によって種類が異なりますので、それぞれの特長を説明します。
6色機
色の三原色CMY(シアン/マゼンタ/イエロー)+ブラックにライトシアン・ライトマゼンタ・グレーなどの薄い色を加える事で、より微妙な色の変化にも対応します。例えばCMYの組み合わせで再現したグレーでは赤みや青みを帯びてしまうことがありますが、グレーインクを使用することで安定したグレー色調やグラデーションの表現を可能にし、カラーインクの使用も抑えます。
この薄い色の組み合わせはメーカーごとに異なりますが、手軽に写真印刷をキレイに印刷したいときは6色機がおすすめです。
5色機
6色機からグレーを省いた色構成になります。
グレー色をブラックで表現するとざらついた感じになり、またCMYで表現すると質感が落ちるため、6色機と比べて黒のグラデーションの表現が劣るので、写真印刷も適度に印刷しながら、文字印刷をしっかりと行いたい方におすすめです。
4色機
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で構成されており、おもに文字印刷を目的とする方におすすめです。顔料ブラックを使用する機種では、写真印刷の際にシアン、マゼンタ、イエローの3色で表現するためグラデーションがつぶれやすく、黒の再現性が苦手です。一方、4色すべてに顔料インクを使用する機種は、黒の再現性に優れていますが、グラデーションが弱く、写真印刷の際には顔料インクに適した用紙を選ぶ必要があります。
このタイプのプリンターは、文字印刷や中間色を伴わないグラフィック印刷を行う方や、印刷コストを抑えたい方に向いています。
4色・5色・6色インクの印刷品質の違い
broter
DCP-J567N
設定:
ブラザー写真光沢紙・高画質
Canon
MX923
設定:
写真用紙光沢ゴールド・高画質
EPSON
EP-812A
設定:
EPSON写真用紙・きれい
メーカー別 インク色数比較表
メーカー | キヤノン | エプソン | ブラザー | ||||
色数 | 4色機 | 5色機 | 6色機 | 4色機 | 6色機 | 4色機 | 4色機 |
顔料・染料 (ヘッド一体型) | 顔料・染料 | 顔料・染料 | 顔料 | 染料 | 顔料・染料 | 顔料・染料 | |
顔料ブラック | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
顔料シアン | ● | ||||||
顔料マゼンタ | ● | ||||||
顔料イエロー | ● | ||||||
染料ブラック | ● | ● | ● | ||||
染料シアン | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
染料マゼンタ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
染料イエロー | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
染料グレー | ● | ||||||
染料ライトシアン | ● | ||||||
染料ライトマゼンタ | ● |
プリンター選びの基準になるのが、インクの色数です。
例えば写真印刷など色彩の豊かさやクオリティのこだわりによって、選ぶ機種も変わってきます。まず何を印刷したいかを整理し、自分に合ったプリンターを選びましょう。